ホーム > 顔の見える家づくり〜創和の人たち〜
――相模原市でも、オリジナリティあふれる家造りの姿勢で、メディアからも注目を集めている創和建設の建築部の現場管理の皆さんです。自然素材と自然エネルギーを使った個性的で機能的な家も特徴的ですが、今回取材をさせていただいてつくづく感じたのは、施主さんが楽しく家造りに参加することのできるとても自由な“創和スタイル”。住み手も家の構造を知ることで、安心/安全に暮らすことに繋がりますし、これはまさに家造りにおいて時代の最先端をはしっているなとお世辞抜きで感じました。
志村:「お世辞抜きで? いやいやいや!それ思いっきり過大評価です(笑)。私たちにとってはお仕事なんで、最終的にお客様が建築中も楽しく、そしてお引き渡し後も心地よく暮らしていただければこんなにうれしいことはありません。私からみても弊社のスタッフは個性豊かな人たちの集合体で、仲良くまとまっているようでぜんぜんまとまってなくて(笑)、でもしっかりと同じ方向を見ているところもあるので、そうした部分を皆さんに少しでも感じていただければと思っています」
――ずらーっと並ばれて、皆さん「1級建築士」をはじめ有資格者ばかりで優秀そうですね~。ということで、本日は創和建設の建築部メンバにはどんな人がいるのか? 気になる人柄や家造りへの想いなどを思い思いに少しづつ伺っていきましょうか。まずは、最年長の原さんから。
原:「耐震や安全性能というのは大前提として、私たちが心がけているのは、お客様としっかりとお話をしたうえで、どんな家でどんな暮らしをめざしておられるのかをお聞きすること。その上で、図面だけでは想像できない部分もご説明させていただき信頼関係をしっかり築きながら、家造りのプランをご提案させていただきます。お客さんに職人さんが顔をちゃんと見せて、どんなことでも言っていただける良い関係を築いていくのも私の大事な仕事だと思っています」
志村:「原さんは、お客様のお話を聞きすぎて、夜遅くまで会社に帰ってこないこともあるんです(笑)。若い時は料理の道にいたこともあって、それが全体のバランスをとるのが上手な一因にもなっているのかもしれません」
――素材から盛り付けまで行き届いている、ということですね。
志村:「ええ。それなりに日々ストレスもあるんだろうな~と…原さんの顔はいつも笑っているんでわかりづらいですが、そう思います。でも、もともと人と関わるのとしゃべるのは大好きなんじゃないかな。顔を見ながら伝えるって大切ですよね。そのお手本みたいな人かな。」
原:「その通りです(笑)。しかし、お客様の自由なアイデアというのは、本当に面白いんです。他の工務店さんでは『できない』と言われてしまうようなことも、弊社では普通に施工していることが多いのですが、私たちでさえ驚くようなお客様の面白い発想をなんとかカタチにしてお応えしたいと常々考えています。中には目が点になるようなことを真顔で口にする方もいて、それはそれでびっくりしたり楽しかったり…ただ、あまり突拍子もないことは避けていただけると助かるんですけどね。心臓に良くないんで(笑)」
岡部:「当社にいらっしゃるお客様は、無垢と自然素材が好きなだけでなく、里山の環境やその土地の空気感を大事にしていらっしゃる方や、都心や横浜・湘南の市街地でも他の家とどこか違った自然や景色を取り入れようとする方が多いんです。その上で『古民家で使っていた建具を使いたい』であるとか、『土間にしたい』など、現代の家造りではなかなか取り入れることのない発想でアイデアを出していただくんです。面白いくらいなんでもアリなんですね。私たちは、そうしたお客様の個性や家造りへの願いを最大限引き出させていただきながら、より機能的な家造りを目指したいと思っています。家を建てるなんて、一生のうちにそうそうあるわけではありませんから」
志村:「岡部さんは、設計・積算も担当していて、見た目通り頭脳明晰な方なんです。たぶん、子供のころから学校でもひときわ優等生だったんだろうな~と想像できます。たくさんの事を同時に平然とやっている人かな…私も同年代なので、彼が天才に見えるときがあります。(笑)」
岡部:「しかし、最近は物忘れがヒドくなってきたので、これまで以上に迅速な対応を心がけています。忘れる前に(笑)」
志村:「同感です」
――ど、同感なんすか!?
志村:「ははは、私も同世代で、物忘れがいい感じできているんですよ(笑)…歳を重ねることは、鈍感力が自然と身についてくるのかな~と、物忘れと鈍感力を一緒にしてはダメなんですが、自分でいいように納得させてます。(笑)」
小俣:「私は、特に真壁や木組みの建物を担当することが多いんですが、伝統的な家造りの中での個性と創造というのは、私たちにとってはチャレンジングなことなんです。家造りに対してどこまでも自由で大胆な姿勢、そして気風が弊社に根付いているからだと感じています。採算第一主義でないところも自由奔放の大きな理由のひとつかもしれません。正直、家に対するお客様のその部分が高すぎると思うこともたまにあります。お客様は、自然が好きという方でも十人十色なので、そのすべてにたいして最良の結果を残していくことはかなり難しいと感じることもあります」
――といいますと?
小俣:「自然住宅というのは、メリット同様に今の時代で生活するにはデメリットに感じられる部分もあるんです。例えば、無垢材を使用すれば風合いや健康には良いですが手入れが本当に大変になるんです。小さな隙や傷ということも当然ありますしね。箱を連結するだけの今どきの住宅とは違って、すべてと言っていいほど手作業。もちろん時間も手間もかかりますが、創和で家を建てるお客様は、そうした不便さよりも“楽しい暮らし”を目指している方がほとんど。そのデメリットに比べメリットが数倍あるので、私自身は口数が多い方ではありませんが(笑)、胸を張ってお勧めしています」
志村:「小俣さんは、自然住宅というくくりの中でも木組みの住宅のスペシャリスト。お父さんが大工さんだったということもありますが、わかるがゆえに芯がしっかりしています。ただ、納まらないところはたとえ設計者の言葉であっても、ホントたまにですがバッサリと切ることもあり、こちらはちょっと冷や汗みたいな…(笑)。たぶん昔から心の軸がぶれることが少なく、建築というものは“良い家を建ててなんぼ”というシンプルさが頭の真ん中にあるんだと思います」
山田:「私は、自然住宅だからと言ってそれが特別なものだとは思っていません。一般の注文住宅との差は、化学物質過敏症の方などのための素材選びや、エネルギーを含めた住まい方の差はあるものの、現場管理ということだけ考えるとその本質は同じように思っています。天然無垢であっても、施主様の大切なお金で建てる意識をしっかり持つということですね。自然・天然という言葉にあぐらをかかず、ただでさえ長めにいただいている工期を守り、品質はもちろん確保して、そのために設計者と一緒に努力をすることが私の現場監督としての使命だと考えています。自然素材の家って、緩さが雰囲気や人間関係で許されてしまう感もあるのですが、それはいいことではなくて、工事の順番って、私たちから見るととても大切なんですよね。そのことは、設計者にたいしてもきっちりと伝えています。それぞれが責任をもって施主様の財産を造っている感覚ですかね」
志村:「山田さんは、多摩地区担当の現場監督。テキパキと決めすぎると思えるくらいの時もありますが(笑)、はじめはびっくりされる方もいますが、その決断力がお客様の安心感につながっています。自然素材を特別扱いしないフラットさも持ち合わせていて、心強いメンバーです」
鎌田:「型にはまらない家造りというのかな。私たちもお客様と一緒になって楽しみながら家を建てられるのは、弊社の大きな魅力ではないでしょうか。例えば、里山ならではの美しい景観を暮らしに取り入れるために大きな窓を大胆に配置したり。他ではできないけれども、お客さまが求めているカタチに巡り会える喜びが私たちにもあるんです。私、個人的には高断熱の住宅が大好きで、たとえ自然に囲まれた立地の住まいでも温かく暮らすということにこだわりがあります。ただ、高断熱の家は気密まで高まってしまうので、そのあたりが問題かと。気密住宅は、住み心地を大きく犠牲にしてしまうので」
志村:「鎌田さんは、設計が本業で、断熱・省エネなどの専門家で、耐震などにもとても詳しく有能。現場も、設計者の目を半分持ちながらキッチリと完成させます。キッチリ具合は、その佇まいや喋り方からも良くわかると思います。今日のメンバーの中でも、国が方針を打ち出した省エネ住宅にもっとも近い人で、弊社のふり幅を大きく広げてくれています」
――創和リフォーム工房という関連会社で、リフォームを担当されている大橋さんはいかがでしょう?
大橋:「里山という土地柄もあるのかもしれませんが、家造りと同じように家に対してとても真摯に向き合っているお客様が多いんです。だからでしょうか、家への愛着を深めるために、セルフリノベーションをされる方も多いですね。ただ、通常のセルフリノベーションを通り越してる場合もあって、まるでどっちが職人さんかわからないような人もいて驚きです(笑)。見極めるコツは、服をたくさん汚してる方が施主さん」
原:「新築の家を建てる方でも、そうした意識のお客様が多いんです。子供部屋の壁塗りをお子さまがすることもあるんです。美しさや完成度は決して良くはありませんが、子供部屋の漆喰に家を建てた思い出が刻まれるんですね。これは、私たちにはできないことです。物語のある家造りというのかな。それも大切な家造りの在り方です」
小俣:「昨年のお客さまの中で、先祖から受け継いできた山の木を父親と一緒に伐採して家の大黒柱に使うというツワモノの施主さんもいて、その時も家って過去から未来へ繋がっていく物語なんだと感心しました。家造りって、こうしていくものなんだということも含めて」
大橋:「本当にそうですね。だから、私たちも遊び心を最大限に取り入れながら、施工後も楽しい暮らしができる家造り、そしてリフォームを心から応援したいと思っています。私はリフォーム・リノベーション担当が長いのですが、結果がすべての仕事の中で、どうお客様と向き合っていくか、同じ方向を見ていけるかを常に心がけています。お客様のおっしゃることで、あまりに無謀なご意見に対しては、そーっと反対意見を伝えつつ軌道修正していただくこともありますが(笑)、お客様のどんな些細な言葉にも耳を傾けて、最大限のご対応をさせていただいています」
志村:「大橋さんは、リフォーム工房の先頭を走っている女史ですが、まるで施主さんの親戚の方?と間違うくらい寄り添って家造りに向き合っています。そこまでやると疲れるだろうな~と思うときもありますが、たぶん生まれつきの性格でそうしないと気が済まないのだと思います。自分の仕事はここまで!と線引きするのって、私たちのような家づくりでは、ちょっと難しいところがあるんだと…ただ、やはり女性なので男性スタッフに比べると芯はしっかりしています。」
飯沼:「私が、創和でお世話になっている一番の理由は、作り手と住み手の心地のいい関係性が創和建設にあったから。長くこの仕事をしてきましたが、図面ありきの無難な建売住宅では、お客様感動は伝わらない。家造りを通してお客様に感動していただきながら、私自身も創和ならではのチャレンジングな家造りに携わって行きたいと思っています。いい家をつくりたいという。ただし、いくら創造的な建物でも私の仕事は現場監督であり、間違ってもデザインや設計が生業ではないことを忘れずに。そして現場のすべての始まりは段取りと考えています。最終的にいいものが出来るために、一生懸命図面を読み解き、職人さんたちに規則正しく工事にはいっていただくことが私の仕事であり、良質な家に繋がると思っています。私自身が理想としていた楽しめる造りができています。現場監督は心棒というか、天秤の真ん中をいつも意識していることが大事なんだと。」
志村:「飯沼さんは、現場監督のプロフェッショナル。いつも笑顔で無口ですが、すべてにきっちりとしている感じ(じゃないところは、今のところ隠しているだけかもですが(笑))で、時間の使い方も上手ですね。既に施主さんからの安心感・信頼感も厚いです。」
――ありがとうございました。工務店の未来像に溢れたお話でしたし、バラエティに富んだ創和建設メンバーの魅力も少しは伝えられたと思います。
志村:「ありがとうございます。今日の座談会で、自然住宅の工務店の一員としていい家を造っているんだというプライドが慢心に繋がらないよう、それぞれやりかたは違ってもみんなが気を引き締めてやっているんだと感じることができて、改めて感謝です。
私たちにとっては、年間30軒のうちの1軒ですが、お客様にとっては35年ローンを組んでの一生に一度の大切な一軒。それを肝に銘じて丁寧に建てていくことが弊社の生きていく道でもあると信じています。個性豊かな集団ですが、そのあたりは全く同じ思いであることを再確認できたこと嬉しく思いました。これからも、感謝を忘れず、楽しい家造りに向かっていきたいと思っています。今回は、建築部の現場監督が集まっての座談会でしたが、創和にはその他にも部署があり、そこのスタッフも負けじと個性豊かで楽しい人ばかりです。そのうちに第2弾ということで。今日は、インタビュアーの山本さんはじめ皆さんありがとうございました。」
――今回の座談会で感じたのは、施主さんが楽しんで家を建てるのが一番で、そのために自分たちも精一杯楽しむという姿勢が明確なこと。「暮らしを楽しみたい」と思っている施主さんの“意外性あるアイデア”を家の魅力として具現化するためなら、どんなチャレンジにも一切の制限を設けていない姿勢を取っているのは創和建設ならではの強烈な魅力だと感じました。そして、物語のある家造りのためなら、面倒さより楽しさを優先させる姿勢もまた発見できました。これは素晴らしいですね!
全員:「いやいや、それなりにかなり面倒です(笑)」
――みなさん、さすがです。今日は、ありがとうございました。