ホーム > お客様の声 > vol.06 「柿渋の家」 シンプルに、センス良く暮らす 地産地消の小さな家
vol.06
「柿渋の家」
シンプルに、センス良く暮らす
地産地消の小さな家
相模原市/K様邸
限られた予算でも
工夫次第で木の家は建てられる
360度に山が見渡せる、日当たりの良い平地にチョコンと建つ小さな家。大きな家が建ち並ぶ中、遠くからでもひと際目を引く、どこか洗練された佇まいのお家です。
以前住んでいたお家も檜造りの家だったというK様にとって、建てるなら木の家というのは、ごく当然のことでした。ただし今回は資金が限られていたため、果たして木の家なんて建てられるのか、と思っていたそうです。広さを当初の予定より少しだけ小さくしたり、とことん無駄を省いたシンプルな造りにすることで、なんとか予算内に収めることができました。
コンセプトは「小屋」
そんなK邸のコンセプトは、ズバリ「小屋」。
「小屋にして、って言ったら、本当に小屋になりました(笑)」
たとえばK邸は、LDKと寝室、仕事部屋という3つのスペースに分けられていますが、部屋にドアはなく、すべての空間が緩やかに繋がっています。物の出し入れが面倒だからと、収納スペースもありません。
「予算がもう少しあって、もうちょっと大きくできればなお良かったけど、全体的に調子いいですし、満足ですね。私はひとり暮らしだし、掃除があんまり得意じゃないので、広い家は要らなかったんです」
ある物を使い、手づくりする
そして、少しだけこだわる
20数年前から使っているというストーブは長野県にあるイエルカのもの。夜でも、大きな薪を2、3本入れれば、充分暖まるそう。
お金をかけていないのは、家だけではありません。カーテンなど、作れるものはご自分で作り、家具や薪ストーブはもともと持っていたものを活用しました。それなのに、まるで雑誌にでも登場しそうなおしゃれな空間に仕上がっています。
「カーテンレールや照明のかさは、ちょっとお金をかけて鉄の作家の方に作ってもらいました。やっぱり、いくら小屋だと言っても、少しぐらいはこだわらないと」
さらに、壁は一部をセルフビルドで塗り上げ、創和建設の壁塗りワークショップも開催させていただきました。K邸のワークショップに参加したことがきっかけで、ご自分のおうちのセルフビルドに挑戦した方もたくさんおられます。K様の家づくりが、別の家づくりにも、繋がっているのです。
森林の間伐問題にも貢献する
きらめ樹材を使用
そしてK邸では初めて、きらめ樹材を使用しました。きらめ樹材とは、樹木の皮を剥いで行う間伐方法で作られた木材のこと。気軽にできる間伐方法として話題を呼び、全国でワークショップが開かれています。
創和建設の自然住宅は、地元産材を積極的に利用しています。藤野地域では森の未来を考える市民グループ「森部」が中心となってきらめ樹間伐が実施されていますが、今回は、そのきらめ樹材を使用することになったのです。いくつかは丸太のまま、見える柱となっていますが「お客様の評判もとてもいい」とK様。
「いつか、ウッドデッキに屋根をつけて、サンルームみたいにしたいですね。そうするとリビングが広くなって、置けなかったソファも置けるかなと」
たくさんの人の手が加わった小さな小屋で、シンプルに、センス良く暮らす。シンプルだからこそ際立つ暮らしの相が、日を追うごとに、この家の個性を生み出しています。
鉄の照明器具は、藤野地域にも縁のある、金属クラフト作家の羽生直記さんに依頼して制作しました。ひとつこだわるだけで、空間が一気に洗練されます。
玄関に使われた丸い柱は、きらめ樹材を使ったもの。どことなく柔らかい印象です。
現在は、柿渋染めのバッグをメインに制作しているというK様が、バッグの縫製を行う仕事部屋。大きな窓から見える景色がとてもきれいで、気に入っています。