ホーム > お客様の声 > vol.11 「木と土と太陽の家」 家族の息づかいを感じる 伝統工法で作られた平屋の家

vol.11

「木と土と太陽の家」

家族の息づかいを感じる
伝統工法で作られた平屋の家

相模原市/M様邸

日本家屋の良さが感じられる
現代版古民家

創和建設の「風のいえ・プロジェクト」では、地元産材を使った自然住宅が4棟建ちました。その中のひとつ、M邸は全4棟のうち、唯一の平屋建てです。

広くとられた土間や、リビングと続き間の和室、高い天井を活かした充分なロフトスペース、あらわしの大きな梁や瓦屋根、竹小舞の壁、無垢材の床…。M邸には日本家屋の良さが随所に感じられます。まるで、現代版古民家のようです。

M邸の設計者でもある、奥様の麻里さん。現在、同じ藤野地区で、2軒目の設計を手がけました。

設計は奥様ご自身で

もともと環境に対する意識が高かったM様ご夫婦は、迷うことなく自然素材の家づくりに取り組みました。地元産材の使用を提案された時も「願ったり叶ったり」とすぐさま了承されたのだそうです。

M邸は、釘や金物を使わない昔ながらの伝統工法で建てられています。じつは奥様は、以前、京都で伝統工法を学んだこともある建築士さん。この家の設計も奥様自身が手がけました。

「以前から、自分が家を建てるならこうしたいと思っていたことに加えて、この土地でどういうふうに生活したいかっていうこともいろいろ考えて設計しました」

家は、時とともに変わっていく
“可変性”を大切に

「もうひとつの大きな特徴は“可変性”ですね。子どもの成長や家族構成に合わせて、空間の使い方を変えていきたい。家ができた時が完成じゃなくて、住みながらいろいろ変えていこうと思っています」

たとえば現在は、トイレと洗面所以外は間仕切りがないというほど、すべての空間が繋がっています。しかし子どもが大きくなって、どうしても個室がほしいと言われたら、リビングの畳スペースを個室にしてもいいかなと思っているのだそうです。

「以前住んでいた家は、ひとりが1階にいてひとりが2階にいると、何をやっているのかがまったくわからなくて、それがすごく嫌でした。だから “おーい”って呼べばわかるぐらいの距離感がいいなと思っていました。この家は、どこにいても、だいたいどこらへんで誰が何をしているのかがわかるんです」

伝統だけでなく
最新技術も取り入れる

また、空調には「そよ風」を採用しました。「そよ風」は、夏は屋根の熱気を排出し、夜間の放射冷却を利用して室内を涼しく、冬は太陽熱を屋根で受け取り、床下に空気を回して室内温度を調節するもので、次世代のパッシブソーラーシステムとして注目されています。薪ストーブ利用時には、室内の空気を取り込んで循環させることもできるのだそう。

「夏は涼しいし、冬は底冷えしない。2年近く使ってみて、その良さを実感しています」

伝統的な日本家屋と、現代のエコ技術を組み合わせた新しい住まいのカタチ。今後この家がどのように変化し、味わいを増していくのか。その佇まいを見つめているうちに、とても楽しみになりました。

梁を見ると、釘を使わず、木組みで建てられていることがわかります。いずれはダイニングテーブルを入れたいと考えているそうですが、現在はちゃぶ台を囲んで、和の暮らしを楽しんでいます。

日本家屋の良さが活かされている暖かい空間です。

M邸では、解体された地元の古民家から建具や家具や庭石を譲り受けて、再利用しています。新しい家にすっかり馴染んで、とても落ち着きがある空間に仕上がりました。